•   予告編  

斜陽の一途にあるピンク映画業界。栩谷は監督だが、もう5年も映画を撮れていない。
梅雨のある日、栩谷は大家から、とあるアパートの住人への立ち退き交渉を頼まれる。その男・伊関は、かつてシナリオを書いていた。映画を夢見たふたりの男の人生は、ある女優との奇縁によって交錯していく。

原作は、第123回芥川賞に輝いた松浦寿輝による同名小説。『Wの悲劇』(84)や『ヴァイブレータ』(03)などを手がけ、日本を代表する脚本家のひとりである荒井晴彦が、数多くの賞を受賞した『火口のふたり』(19)に続く自身4作目の監督作品として選んだ本作で、“ピンク映画界の斜陽”という原作にはないモチーフを脚本に取り入れ、映画作家としての“超訳”に挑んだ。
主人公・栩谷に綾野剛、相対する伊関に柄本佑、そして、ふたりとの奇縁を結ぶ女優・祥子にさとうほなみがそれぞれ扮し、ふたりの男とひとりの女が織りなす、切なくも純粋な愛の物語が誕生した。

  • 1982年1月26日生まれ、岐阜県出身。
    2003年に俳優デビュー、数多くの映画やドラマに出演する。『横道世之介』(13/沖田修一監督)、『夏の終り』(13/熊切和嘉監督)で第37回日本アカデミー賞新人俳優賞、『日本で一番悪い奴ら』(16/白石和彌監督)で第40回日本アカデミー賞主演男優賞、『閉鎖病棟―それぞれの朝―』(19/平山秀幸監督)で第43回日本アカデミー賞助演男優賞を受賞。近年の主な出演作品に『新宿スワン』シリーズ(15-17/園子温監督)、『武曲 MUKOKU』(17/熊切和嘉監督)、『パンク侍、斬られて候』(18/石井岳龍監督)、『楽園』(19/瀬々敬久監督)、『影裏』(20/大友啓史監督)、『ヤクザと家族 The Family』(21/藤井道人監督)、『ホムンクルス』(21/清水崇監督)、『最後まで行く』(藤井道人監督)などがある。今後は、『カラオケ行こ!』(24年公開予定/山下敦弘監督)が控えている。

  • 1986年12月16日生まれ、東京都出身。
    2003年公開の『美しい夏キリシマ』(黒木和雄監督)で主演デビューを果たし、同作で第77回キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞などを受賞。19年には主演を務めた3作品『素敵なダイナマイトスキャンダル』(18/冨永昌敬監督)、『きみの鳥は歌える』(18/三宅唱監督)、『ポルトの恋人たち 時の記憶』(17/舩橋淳監督)で第73回毎日映画コンクール男優主演賞や第92回キネ旬ベスト・テン主演男優賞などを受賞した。近年の主な出演作品に『火口のふたり』(19/荒井晴彦監督)、『痛くない死に方』(20/高橋伴明監督)、『先生、私の隣に座っていただけませんか?』(21/堀江貴大監督)、『ハケンアニメ!』(22/吉野耕平監督)、『シン・仮面ライダー』(23/庵野秀明監督)などがある。24年の大河ドラマ「光る君へ」(NHK)では、藤原道長を演じる。荒井晴彦監督とは『火口のふたり』に続き2作目となる。

  • 1989年8月22日生まれ。東京都出身。
    2017年よりさとうほなみとして女優活動をスタート。 近年の主な映画作品に、『窮鼠はチーズの夢を見る』(20/行定勲監督)、Netflix『彼女』 (21/廣木隆一監督)、『恋い焦れ歌え』(22/熊坂出監督)、『愛なのに』(22/城定秀夫監督)、『銀平町シネマブルース』(23/城定秀夫監督)。ドラマではABEMA「30 までにとうるさくて」(22)、「六本木クラス」(22/EX)、Netflix「今際の国のアリス Season2」(22)、「あなたがしてくれなくても」(23/CX)など。「ゲスの極み乙女」のドラマー、ほな・いこかとしても活動。

  • 1976年7月11日生まれ、広島県出身。
    前川麻子に師事し、2002年今岡信治監督のピンク映画『ヒバリ』でデビュー。近年の主な出演作品に『シュシュシュの娘』(21/入江悠監督)、『とんび』(22/瀬々敬久監督)、『雑魚どもよ、大志を抱け!』(23/足立紳監督)などがある。この後、『こいびとのみつけかた』(23年10月27日(金)公開予定/前田弘二監督)の公開が控えている。

  • 1969年12月28日生まれ、神奈川県出身。
    1996年公開の『RUBBER'S LOVER ラバーズ・ラヴァー』(福居ショウジン監督)で主演デビュー。近年の主な出演作品に『山女』(22/福永壮志監督)、『セフレの品格 初恋』(23/城定秀夫監督)、『カタオモイ』(23/いまおかしんじ監督)などがある。この後、『白鍵と黒鍵の間に』(23年10月6日公開予定/冨永昌敬監督)、『こいびとのみつけかた』(23年10月27日(金)公開予定/前田弘二監督)の公開が控えている。

  • 京都府出身。
    モデルとして活躍する傍ら、2021年にSOFT ON DEMANDよりAV女優デビューし、人気を博す。23年には、初のフォトエッセイを発売。

  • 台湾出身。
    2021年AV女優としてデビュー。22年にスカパー!アダルト放送大賞を受賞。

  • 1970年1月25日生まれ、山梨県出身。
    芸人・ミュージシャン・文筆家・俳優として幅広く活躍。俳優としては2012年公開の『苦役列車』(山下敦弘監督)での演技が高く評価され注目を集める。近年の主な出演作品に『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』(22/竹林亮監督)、『ミンナのウタ』(23/清水崇監督)などがある。

  • 1957年5月18日生まれ、大分県出身。
    1975年、ファースト・アルバム「飛・び・ま・す」でレコードデビュー。シンガーソングライターとして活躍する傍ら、映画音楽も多数手がける。2010年には『ヘヴンズ ストーリー』(瀬々敬久監督)でスクリーンデビューし、第25回高崎映画祭最優秀助演女優賞を受賞。

  • 1944年2月10日生まれ、愛知県出身。
    1968年、『牡丹燈篭』でスクリーンデビュー。ドラマ、映画と幅広く活躍し、近年の主な出演作品にドラマ「SUPER RICH」(21/CX)、「つまらない住宅地のすべての家」(22/NHK)、「最高のオバハン 中島ハルコ(第2シリーズ)」(22/CX)などがある。

  • 1950年3月18日生まれ、愛知県出身。
    1979年、『もっとしなやかにもっとしたたかに』(藤田敏八監督)で主演デビュー。近年の主な出演作品に『アキラとあきら』(22/三木孝浩監督)、『グッバイ・クルエル・ワールド』(22/大森立嗣監督)、『クモとサルの家族』(22/長澤佳也監督)などがある。荒井晴彦監督とは『身も心も』(97)、『この国の空』(15)に続き3作目となる。

  • 1947年1月26日生まれ、東京都出身。
    若松プロダクションの助監督を経て、1977年、日活ロマンポルノ『新宿乱れ街 いくまで待って』(曽根中生監督)で脚本家デビュー。『遠雷』(81/根岸吉太郎監督)、『嗚呼!おんなたち・猥歌』(81/神代辰巳監督)で第5回、『Wの悲劇』(84/澤井信一郎監督)、『ひとひらの雪』(85/根岸吉太郎監督)で第9回、『大鹿村騒動記』(11/阪本順治監督)で第35回日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞するなど、日本を代表する脚本家として活躍。近年の主な執筆作品に『さよなら歌舞伎町』(15/廣木隆一監督)、『幼な子われらに生まれ』(17/三島有紀子監督)、『あちらにいる鬼』(22/廣木隆一監督)など、この後、『福田村事件』(23年公開予定/森達也監督)が控えている。97年に『身も心も』を初監督し、『この国の空』(15)、第93回キネマ旬報ベスト・テン第1位に輝いた『火口のふたり』(19)に続き、本作が監督4作目となる。

  • 1954年3月18日生まれ、東京都出身。
    詩人、小説家、東京大学名誉教授。1988年、詩集「冬の本」で高見順賞受賞。95年、評論「エッフェル塔試論」で吉田秀和賞、96年「折口信夫論」で三島由紀夫賞、00年「知の庭園――19世紀パリの空間装置」で芸術選奨文部大臣賞受賞。同年「花腐し」で芥川賞、05年「あやめ 鰈 ひかがみ」で木山捷平文学賞、「半島」で読売文学賞、09年、詩集「吃水都市」で萩原朔太郎賞、14年、詩集「afterward」で鮎川信夫賞、15年、評論「明治の表象空間」で毎日芸術賞特別賞、17年「名誉と恍惚」で谷崎潤一郎賞とBunkamuraドゥマゴ文学賞、19年「人外」で野間文芸賞を受賞。他の小説作品として、「もののたはむれ」、「幽」、「巴」、「そこでゆっくりと死んでいきたい気持をそそる場所」、「川の光」、「月岡草飛の謎」など多数。19年、日本芸術院賞を受賞。

  • 1968年1月3日生まれ、新潟県出身。
    日本シナリオ作家協会シナリオ講座修了後、荒井晴彦に師事。1998年、ピンク映画『黒と黒 OUT OF THE WORLD』(新里猛作監督)で脚本家デビュー。近年の主な脚本執筆作品に『なん・なんだ』(22/山嵜晋平監督)、『甲州街道から愛をこめて』(22/いまおかしんじ監督)、『終末の探偵』(22/井川広太郎監督)などがある。

  • 1946年10月3日生まれ、東京都出身。
    1978年、『サード』(東陽一監督)で撮影監督デビュー。81年、『四季・奈津子』(東陽一監督)で芸術選奨新人賞など多数受賞、92年の『橋のない川』(東陽一監督)、06年の『紙屋悦子の青春』(黒木和雄監督)で毎日映画コンクール撮影賞を受賞する。荒井晴彦監督作品の撮影は全て手がけている。

  • 2002年Vシネマの撮影をきっかけにCMの撮影を多数手がける。一方、映画では撮影チーフとして色彩計測、オペレーター、Bキャメラを経験。主な撮影担当作品に第41回ヒューストン国際映画祭レミアワード金賞を受賞した『母・外与子〜愛は悲しみを超えて〜』(05/桜井真樹監督)、日本編の撮影で参加した『EARN A LIVING』(18/ユバル・オー監督)などがある。荒井晴彦監督とは『火口のふたり』(19)に続き2作目となる。